学術委員会

Committee

委員長挨拶

学術委員長就任あいさつ

中西 正彦(横浜市立大学 教授)

この度、学術委員長を拝命しました横浜市立大学の中西正彦です。本委員会の使命は学術研究の推進であり、学会の存在意義を支える重要な仕事に身が引き締まる想いですが、筑波大学の藤井さやか先生が副委員長に就いてくださったことは心強く、また59名と増強された委員の方々に力を発揮していただきながら、一層の推進に努めてまいります。
本学会にはご承知の通り、都市計画論文(旧一般研究論文)と都市計画論文[発表付き](旧発表会論文)の二つの仕組みがあります。特に後者は本学会に特徴的なものと言え、査読付き論文でありながら学術交流によって一層の研究発展の機会を得られることや、審査スケジュールの安定性が評価されて、毎年多くの投稿がなされてきています。本稿執筆時点ですでに2026年度の旧発表会論文の審査が進んでいますが、驚くことに382本と過去最高数の投稿がありました。また旧一般研究論文も毎年70本超の投稿があり、こちらも増加傾向にあります。都市計画・まちづくりが困難さを増している今日にあって、これだけの論文執筆と投稿がなされていることは、その受け皿として本学会が認められているということでもあり、適正な審査と公開によってその期待と役割に応えていかなくてはなりません。
一方で、本委員会の論文審査プロセスは、各学術委員が取りまとめにおいて大きな役割を果たすものであり、これが本学会独自の仕組みを支える基盤ですが、近年の論文投稿数の増加は委員の負担増となっている面は否めず、コロナ禍以降の運営の複雑化による負担増と相まって、委員会活動・運営の改善は急務という状況です。
そもそも学術研究をめぐる社会的な状況が大きく変わりつつあります。秋田典子前委員長時代には、委員長のイニシアティブの元、論文のオープンアクセス化、都市計画報告の位置づけ等の改善、論文審査規程の整理改善など多くの課題改善に取り組みました。また自主的に任期を延長し運営幹事を務めてくださる方々のおかげで、結果として投稿数急増への備えともなったことは幸いでした。
今年度も引き続き、藤井副委員長を主査としてタスクフォースを編成し、生成AI利用への対応や論文審査のあり方の抜本的再検討に取り組み始めています。特に昨今の生成AI利用の急速な普及は目を見張るものがあります。技術の普及は必要であり避けられませんが、ハルシネーション(AI幻覚)や外部への情報漏洩などの無視できない問題が現実に現れてきました。本委員会としても早急に対応を図っていくべく、まずは責任の所在の明確化、執筆・審査両面の利用ガイドライン作成などについて検討を始めています。
委員会の状況と課題ばかりを説明する挨拶となってしまいましたが、冒頭でも述べた通り、都市計画に関わる学術研究の推進が本委員会の使命であり、運営の合理化や対応はそのための手段の一つです。それを十分に念頭に置きながら委員会活動を進めてまいります。
会員の皆様からは、大局的・社会的見地あるいはご経験等に基づく具体的知見の両面から、積極的にご意見とご協力を賜れれば幸いです。

(2026年7月31日公開)