学術委員会

Committee

委員長挨拶

学術委員長就任あいさつ

学術委員長 秋田 典子(千葉大学 教授)

 このたび、有田智一前委員長の後任として学術委員長を拝命しました。副委員長には、中西正彦先生をお迎えしております。中西先生は都市計画分野における幅広い知見をお持ちで、学術分野の受賞歴もあり大変心強く思う次第です。学術委員会は正副委員長も含め53名の委員から構成されています。学術委員に初めて指名された20年前には、このような立場になるとは想像すらしておりませんでしたが、中西副委員長及び学術委員の皆様と力をあわせて責務を果たしていく所存です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 学術委員会では、審査付き論文に係る審査、全国大会における論文発表会の開催、無審査の都市計画報告集の作成・公表、並びに年間優秀論文表彰制度を担当しております。これらを通じて、広く内外の都市計画研究の発展・深化に寄与してゆくことが当委員会の使命であります。これまで発行された都市計画論文集の中には、「歴史に残る」と言っても過言ではない素晴らしい論文をその中に多々見出せることは、都市計画学会の大きな魅力の1つでもあります。これも歴代の学術委員、査読を引き受けてくださってきた皆様のご努力の賜物と存じます。こうした伝統と歴史をしっかりと引き継ぎ、これからも高い論文の質を維持できるように尽力して参ります。

 当委員会では、年間約300編の投稿論文の審査を行っており、内外の学識経験者の方々に論文の査読をお願いしております。2020年前後のコロナ感染症の流行期には、実務と関わりの深い都市計画分野ということもあり、また、大会がオンライン開催など不透明な状況もあり、若干の投稿数の落ち込みもありました。しかし、2023年には投稿数も回復し、2023年度は全国大会も対面方式が再開され、盛況のうちに閉幕しました。

 一方で、大会に限らず随時投稿を受け付けている都市計画論文(旧一般研究論文)も投稿数が増加し、学術委員会は年間を通じて活動している状況にあります。学術委員の皆様、限られた時間の中で論文の査読をお引き受け頂いている査読者の皆様に対し、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。論文の応募・審査に係る関連規定及びその運用のあり方については、研究倫理の観点に留意しつつ今後も検証を行ってまいります。

 当学会では広範な研究分野に関わる理論から実践までの多様な成果をこれまで社会に発信して参りました。これを踏まえ、昨年度は都市計画のテーマの急速な変化を受け止めるために、有田前委員長の主導のもとに、12の審査分野のキーワードの見直しを行ないました。都市計画の基本的なテーマを軸としつつ、出来るだけ都市計画の今日的課題にも整合するように、各分野を専門とする学術委員の皆様との議論を重ねて設定しています。学術分野は変化のスピードが非常に速く、国際的な状況との整合性等も求められております。他分野とも情報交換をしながら、これまで蓄積されてきた本学術委員会の審査の質を担保しつつ、社会的要請に応えられるよう、情報収集を常に行なって参りたいと考えております。

 さらに、今後は一層産学官民の連携による調査研究の進展が期待されています。無審査の「都市計画報告」については、実務家を含めた幅広い方々から新規性、速報性を有する内容を投稿して頂けるものであり、こちらも投稿数が増加しております。こうした産学官民の各分野からの需要にも、学術委員会としてしっかり応えて参りたいと考えております。

 学術委員会の活動は、会員各位のご参画とご支援なくしては成り立ちません。皆様方の一層のご指導、ご支援を心よりお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせて頂きます。

(2024年8月29日公開)