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352号|新たな社会動向に対応した都市の密度とデザイン・マネジメント

都市計画2015

 

 産業革命以降の都市生活や都市環境の変化,戦後の高度経済成長に伴う土地利用の高度化への対応,生活安全環境改善のための必要空間・施設の確保,そして,経済低迷以降の未利用空間や既存ストックの積極的活用,高齢化社会に対応した構造・設備の改善,コロナ禍における空間移動や施設・設備利用の制限,災害リスクを考慮した土地利用の見直し等,人や空間・施設等の分布の変化や社会的要請により,都市空間をデザインするための密度や尺度の見直しが行われてきた。

 本特集は,既往の都市・地域づくりにおける密度論に係る対応経緯を振り返るとともに,少子高齢化の加速や生活・働き方・土地利用・空間利用ニーズ等の急激な変化や多様性の許容といった新たな課題を整理し,これからの都市づくりにおいて,デザイン・マネジメントに携わる方がどのような意思決定をしていくべきか等,密度論に係る今後の都市・地域づくりのあり方についての提言等をとりまとめたものである。

 「都市計画」における密度論の特集は,社会情勢のターニングポイントともいえる時期,概ね四半世紀に一度企画されているが,本特集号における密度論は,極めて広範な分野を対象としたものである。前段の鼎談及び概論においては,都市施策やデザイン・マネジメント手法について俯瞰的に整理し,後段においては,空間単位や施設分野別の課題整理,さらには,事例などを踏まえた提言等を行っている。

 社会情勢のパラダイムシフトが取り上げられる現在,本特集が読者各位の一助となれば幸いである。

(編集担当:前川 裕介)

目次

地図の中の風景

デジタルツインによる仮想シミュレーション
 池田 大造


支部トピックス


特集:新たな社会動向に対応した都市の密度とデザイン・マネジメント

【口絵】

学会誌「都市計画」における密度論と関連制度等の整理
 前川 裕介

【鼎談】

空間・時間軸の変化を許容する新たな密度論の展開─地域継続を評価する密度と尺度
 戸沼 幸市×後藤 春彦×山崎 義人

建築から都市のデザインへ─急変する社会ニーズ・生活様式に対応する「新たな密度論」に向けて
 内藤 廣×田辺 新一×中島 直人

【密度論に係る概論】

都市計画技術としての「密度」の変遷と「マネジアビリティ」─デザインのための密度からマネジメントのための密度へ
 出口 敦

都市での移動の捉え方についての試論─モビリティのデザインの視点を含めて
 中村 文彦

容積率のインセンティブ制度が機能した理由
 明石 達生

都市計画における密度分析に関する最近の話題─密度分析の意義,オープンデータとGISのインパクト,今後の課題に着目して
 吉川 徹

計画の目標・評価としての人口密度を再考する─人口減少社会において市街地の質を考えるために
 中出 文平

歴史的町並等から考える今後の都市整備の方向性
 後藤 治

【都市・市街地】

計画的に整備された市街地の都市施設の密度とデザイン
 大沢 昌玄

土地利用の変化と生活・事業継続を許容する都市デザイン・マネジメント─東京都板橋区加賀地区における取組事例より
 前川 裕介

これからの都市開発事業のあり方─都市の密度から考えるafterコロナの時代に求められる都市開発事業のあり方
 田村 誠邦

ウォーカブルなまちづくりを支える道路空間のデザイン─国内外の事例から学ぶ,公共空間としてのストリートデザイン
 西村 亮彦

個性的なネイバーフッドをつくる─3つの事例からみる活動の密度と個性的な居心地の関係
 曽我部 昌史

【緑地・河川空間】

「一人あたり公園面積」の今後
 寺田 徹

河川空間における人と水の密度,そして「かわまちづくり」による魅力的なパブリックスペースの形成
 早川 潤

【建築・設備】

新たな社会動向に対応した医療施設の計画手法
 小林 健一

中之島地区における河川水を利用したエネルギー供給システムの計画と三宮地下街におけるIoTを活用したスマート空調システムの実証
 丹羽 英治・鈴木 義康・髙橋 直樹

【編集後記】
 前川 裕介


まちづくりマインドを育む

街づくりにおける「点」開発の意義と不動産の役割
 清水 千弘

公共空間はまちづくりマインドを育む「がっこう」となる─南町田グランベリーパークのまちのがっこうの取組
 千葉 晋也・村合 瑛・三宅 紗葉子


コロナ禍は都市と都市計画をどのように変えるのか?

上郷ネオポリス:コロナ禍における挑戦
 瓜坂 和昭


報告

第10回 定時総会(社員総会)議事録
 理事会

学会賞・特別功労表彰・年間優秀論文賞
 表彰委員会・学術委員会


書籍探訪・新刊レビュー|企画調査委員会


追悼

ジャイメ・レルネル氏の業績を振り返って
 服部 圭郎


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