編集委員会

Committee

委員長挨拶

(2021.8.3公開)

このたび、中村文彦先生の後任として、編集委員会の委員長を仰せつかりました東京大学の小泉です。

編集委員会の主な役割は、学会誌「都市計画」の編集・出版になります。学会誌は、中村前委員長がご指摘されたように、「学会員の皆さまと学会とをつなぐ極めて重要なチャンネル」であると同時に、「学会員の皆さまの専門知の源泉」であります。

気候変動や、それにともなう水災害の多発化、少子高齢化の進展、コロナ禍、そして都市のスマート化など、都市計画をめぐる文脈、社会的状況は大きく変わりつつあります。

編集委員会としては、そうした「変化」を汲み取りつつ、関連した都市の現状や都市計画の先端領域を学会誌の特集テーマとして企画・構想することで、これからの都市と都市計画のあり様について、学会員の皆さまと考えて行きたいと思っております。その方法の一つとして、学会誌の特集テーマに関連するシンポジュームやセミナーなどを他の委員会とも連携して企画・開催することで、誌上での議論を、学会員の皆さまとのリアルな場での議論へと展開・発展させることができればと考えております。

一方で、学会誌が、「学」と「術」をつなぐメディアであるということも強く認識し、企画を検討する必要があると考えております。都市計画が社会技術であることを念頭におくと、学会誌は、大学や研究機関に所属する研究者を中心とした情報交換のためのメディアにとどまらず、国や地方自治体の都市計画行政担当者、民間都市計画プランナー、関連民間事業者など実務家の皆さまにとっても有用である必要があります。さらには社会状況の「変化」に伴い都市計画の領域に近年接近しつつある政府セクターや民間企業、NPO/NGOの皆さまにとっても、魅力的な内容であることが求められているように考えております。

これらのことを念頭に置きながら、都市や都市計画の本質に迫れる骨太な企画を考えつつ、一方で、読者層を広げることができるライトな誌面もバランスよく構成できないものかと考えております。中村前委員長が志向されていたような、自然に読みたくなる気軽さや、豊かさ、ちょっとしたユーモアや楽しさも忘れずに、企画内容を、多彩な陣容である編集委員の皆さんと一緒に考えて行きたいと思っております。

最後になりますが、学会誌は、学会内外の皆さまからのご寄稿によって成り立っており、皆さまのご協力なしに発行することはできません。より多くの会員の皆さまのお声に耳を傾けながら、有意義な誌面づくりに励んでいきたいと考えております。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

編集委員長 小泉 秀樹(東京大学 教授)