学術委員会

Committee

都市計画ポスターセッション

 日本都市計画学会では「都市計画ポスターセッション」を、2008年度新たな本会事業として都市計画ポスターセッション実行委員会を組織し、総会開催に併せて実施いたしました。2010年度以降、理事会協議結果を受け学術委員会にて事業運営を担ってまいりました。2013年度以降の学術委員会運営について、委員会業務のあり方・委員構成・支出予算圧縮等検討を重ねた結果、発表数が減少傾向であること等から、理事会にての協議の結果、2013年度より当該事業を休止することなりました。
 5年にわたり多数の方々にご発表をいただきましたことに感謝申し上げるとともに、上記決定につきご寛恕いただければ幸いに存じます。

2012年度優秀ポスター賞および授賞理由

授賞年月日(2012.05.25)

石黒雅之、馬場健誠、申炳欣、伊藤裕菜、大石祐輔
斎藤竜大、高橋洸介、林泰資、山近資成、横内秀理 殿
「考現学のデジタル化による都市空間の再解釈と可能性」

 本ポスターは、デジタルデバイスを用いた考現学により都市空間を再解釈し、都市デザインへの応用を考察したものであります。模索するものであります。成果が簡潔かつ明瞭に表現されており、その完成度の非常に高いものでした。今後のさらなる展開が期待されるものであります。

谷口綾子、佐藤宏亮、野田満、池田智、石黒雅之、遠藤翼
葛野亮、木田恵理奈、熊谷哲大、菅沼結城子、陳海韻、野上耕太郎、三宅諭 殿
「生活者の暮らしの記憶から描かれる復興まちづくり-岩手県山田町の漁村集落における取り組み-」

 本ポスターは、岩手県山田町の漁村集落における復興まちづくりについて報告したものです。将来に向けた持続可能な復興まちづくりを念頭に、生活者1人1人の視座をもとに、地域の歴史的・文化的文脈について考察されております。生活者へのヒアリング調査を重ねながら暮らしの姿や資源を掘り起こし、地域住民と共有するプロセスを経て復興に向けた地域像が描かれており、成果を簡潔かつ明瞭に表現したものでありました。今後のさらなる展開が期待されるものであります。

2011年度優秀ポスター賞および授賞理由

授賞年月日(2011.05.27)

髙嶺翔太、佐藤宏亮、馬場健誠、金子奈津
河内昇平、陳海韻、前田茜、柳沼優樹、山本香菜、林書カン 殿
「まちづくりオーラル・ヒストリーからはじまるまちづくり活動へのアプローチ」

 本ポスターでは、神奈川県小田原市片浦地区を対象として行った、まちづくりオーラル・ヒストリーの編纂活動をまちづくりに発展させてものであります。インタビューやフィールドワークを多数実施し、その成果を地域住民が主体となった実際のまちづくりにつなげることも展望されており、今後のさらなる展開が期待されるものであります。

なお、上記作品に加え、これらに次ぐ優秀作品として、以下の2作品がありました。

菊池佐智子、輿水肇 殿
「土地利用形態に着目したピーク流量を低減させる屋上緑化適地の検討」
板川暢、一ノ瀬友博 殿
「生物生息情報に基づいた都市河川のエコロジカル・ネットワークの検証と評価手法の検討 - 横浜市柏尾川流域を事例に -」

2010年度優秀ポスター賞および授賞理由

授賞年月日(2010.05.14)

岡村祐、野原卓、川原晋 殿
「モノづくりのまち」の空間的・社会的特性に関する研究-東京都大田区を事例として-」

 本研究では「モノづくりのまち」と呼ばれる東京都大田区を取り上げて、空間的側面と社会的側面から「まち」の特性を明らかにするとともに、今後のまちづくりの方向性を示しています。特に、空間的側面については「まち」というスケールで捉えつつも土地利用だけでなく、建物等のミクロなスケールでの緻密な調査から特性を明らかにしている点、仕事上のつながり、ネットワークにも着目して分析を深めている点が高く評価されました。また、本研究は本学会社会連携交流組織のもと、大学、観光協会、産業組織の協働によってなされたものであり、その成果を実際のまちづくりに応用することも展望しており、今後のさらなる展開が期待されるものであります。

なお、上記作品に加え、これらに次ぐ優秀作品として、以下の3作品がありました。

保科宇秀 殿
「内水氾濫からみた郊外住宅地における空閑地の分布特性」
鈴木亮平、櫻庭敬子、大熊瑞樹、パンノイ・ナッタポン 殿
「歴史的町並み地区における来訪者の回遊性向上計画」
河端瑞貴 殿
「東京23区の待機児童と保育所アクセシビリティ」

2009年度優秀ポスター賞および授賞理由

授賞年月日(2009.05.15)

原祐輔、金森亮 殿
「マルチポートで構成される自転車共同利用システムの実装とその評価」

 今日の都市整備では、環境負荷の低減と快適性の向上が求められている。この二つは同時に達成することができるのかという課題に対して、熱環境の観点から市街地整備手法の提案とシミュレーションによる評価を行った結果、適切な事前の検討を行うことで街区の設計が可能であることが示されており、環境負荷が低く、快適な生活空間を有する整備を的確に結論付けてありました。以上より、優秀な作品として認めるものであります。

村上暁信、佐藤理人 殿
「緑の活用による環境負荷が少なく快適な都市空間の創出」

 今日、緑の環境保全機能にかかる期待は大きくなっているが、一方でいかなる緑化が効果的に環境改善に資するかが十分にはわかっていない。その課題に対して、特に熱環境の観点からシミュレーション解析を使って環境改善に役立つ緑化のあり方、緑の活用による快適な都市空間形成の可能性を示したことは、今後の空間整備の方向性を考える上で貴重な学術的成果と言え、高く評価されました。またポスターも成果が明瞭に表現されており、完成度の高いものでした。

2008年度優秀ポスター賞および授賞理由

授賞年月日(2008.05.16)

佐藤理人、村上暁信 殿
「実在市街地における熱環境を考慮した緑化計画に関する研究」

 現代の都市がかかえる喫緊の課題のひとつである熱環境の改善という命題に対して、詳細なモデル解析を通じ、最も効果的な緑化のあり方を提示したことは、そもそも緑化できる空間が極めて限定されたわが国の都市空間にあって、貴重な学術的成果といえ、こうした点が高く評価されました。
 また、ポスターも、上記の成果を簡潔かつ明瞭に表現したものであり、その完成度の非常に高いものでした。

大澤陽樹 殿
「大都市近郊住宅地における空閑地の」発生・残存の実態の解明」

 ポスト成長時代、縮小の時代にあって、大都市近郊地域においては低未利用地の発生が問題視されています。大澤君は空閑地の分布を取り上げて、膨大な量の空中写真判読を通じて詳細に解析している点、地形との関係で分析を用い明瞭な結論を導いている点が評価されました。今後の展開が大きく見込まれる研究であります。研究成果はポスターに明瞭に示されており、的確な議論を誘導しました。以上より、本作品を優秀作品と認めるものであります。

なお、上記2作品に加え、これらに次ぐ優秀作品として、以下の3作品がありました。

清水章之 殿
「定年退職者による農作物栽培の実態を通じて見た都市農地の活用方策に関する研究」
渡辺美穂 殿
「柏の葉自転車街づくりの取り組み」
小泉萌 殿
「浜離宮恩師庭園とその周辺地域の景観マネジメントに関する研究」